囲炉裏って?「旅は他火、炎の癒し効果」



「“旅”の語源のひとつに「他火」がある。他人の囲炉裏の火にあたり、一宿一飯の恩義に預かる。」
「同じ火を使った者は運命共同体となる。」
「火は尊いもの。清らかに保ちたい。尊いものにはその扱いようがある。聖も俗も、火を媒体として伝播する。」 

このように火にまつわる原始的な魅力、いや魔力は、火への畏敬と憧憬の念は人類の原始的な遺伝子は今も息づいており、その火を前にするとき、生命体としての輝きを取り戻します。

ささゆり庵は、そのような人生の転換点となりうるような体験の舞台装置づくりを施しました。

都会での宿泊所や近代的建築物では「火」を扱うことは不可能でしたが、この天空の山村の伝統的茅葺家屋にある囲炉裏だからことできる体験です。
実際、茅葺家屋は囲炉裏や釜戸からでる「煙」が必要で、茅葺屋根の寿命を延ばし、害虫を駆除します。

この知恵はなんと縄文時代の竪穴茅葺家屋からつづく伝統的な生活様式だったのです。自然界にしか存在しない「1/fの揺らぎ」という法則があります。規則的でも不規則でもないその揺らぎが、人の心を癒す効果があると言われています。

火の炎には特にこの「1/f揺らぎ」効果が強く、夕食をしながらパチパチと音を出してユラユラと燃える囲炉裏の炎を観ながら
大切な人と食事をするひと時は現代人を引き付けてやみません、何物にも代えがたい癒しの時間となり、深い思い出となります。