「十二面体スピーカーについて」

- スピーカーのメーカーである
listudeのホームページより抜粋 -



無指向性とは

自然の音は本来、一点から四方八方へと球状に放射される、特定の発音方向を持たない指向性のない音、いわゆる「無指向性」の音として存在しています。それに対し、私たちが普段接している一般的な四角い箱のスピーカーは、正面から音を直線的に発する、いわゆる「指向性がある音」として存在しています。このように、一般的なスピーカーの発音は、もともと不自然な発音方法であることに気付きます。


無指向性スピーカーが目指すのは、声や楽器の音をより自然な響きとして再現することです。さらに、本来スピーカーから発せられてはじめて音として聴かれる電子音も、声や楽器と同じアコースティックな響きとして聴かれることになります。電子音の発音が根本から変われば、電子音楽は土台から変革され、人々の感性も変わってくるのではないか? そんな想いから無指向性スピーカーの開発を始めました。

(図1)指向性スピーカーと無指向性スピーカーの響きの違い


今までの12面体無指向性との違い

正12面体は古くから最も高い対称性を持つ美しい立体として知られています。そして正多面体として球に一番近い立体です。そんな正12面体を有した「無指向性スピーカー」は元来、音楽ホールの音響測定などの用途を目的として開発されました。

その後、音楽再生に向けた同種のスピーカーが市場にもあらわれましたが、一般的なスピーカーに比べ、発音原理では理にかなっている反面、音質は正当に評価されることのない特異なスピーカーとして存在してきました。音質的な問題を解決するため外部機器での補正や、市販アンプが使えないこと、専用ケーブルが必要など、使用にも制限がありました。そこでlistudeは外部機器に頼らず、スピーカー単体での音質問題を解決するため“scenery”を開発しました。それにより一般的なスピーカーと同様に、どこでも設置でき、特別なケーブルや電源は不要で、どんなアンプとも組み合わせが可能です。

さらに“scenery”は今までの12面体 無指向性スピーカーにはなかった「同軸・無指向性」という構造から、広帯域な再生音とシャープな音質を獲得しました。





同軸・無指向性

同軸・無指向性とは、12面体の6対のうちの1対の面にツイーター(高音用スピーカー)とその反対面に低音拡張のためのバスレフポートを配し、さらにツイーター・バスレフポートを中心とする軸を取り囲むように中音のスピーカーを配することで、無指向性でありながら正面からは同軸型を実現したスピーカーの構造のことです。

更に音質面の発展を促すため、スピーカー中心の垂直方向を縦軸にツィーターを120°ごと3方向に配し、スピーカーの水平方向にも均等に高音域を発音する同軸・無指向性スピーカーとなっています。それは、いままでの無指向性と同軸型のそれぞれの長所を併せ持ったスピーカーとして、音響と音楽へ新しい風景を開くことのできる提案だと考えます。