室生寺 サイクリングコース
「室生山の深い緑に囲まれて建つ古刹。国宝の金堂、弥勒堂、そして唐様と天竺様を応用した本堂、野外に日本最少の五重塔などが点在している、女人高野とも呼ばれる。
天武天皇9年(680年)、
役小角(役行者)の草創、
空海の中興という伝承もあるが、記録で確
認できる限りでは、
奈良時代最末
期の草創と思われる。室生寺の東方約1キロのところには
竜神を祀る室生竜穴(りゅうけつ)神社があるが、室生寺の草創にも竜神が関係している聖地である。」
室生寺創建
大和平野の東方、奥深い山と渓谷の続く室生のあたりの一帯は、太古の火山活動によって形成された幽邃な場所で、その中心が室生山です。室生は室・牟漏とも書いていずれもムロと読ませ、土地の人もムロと言いますが、ムロとはミムロという神の坐ます山のことで、大和で最も知られたミムロの山に美しい円錐形の三輪山があります。
室生山は三輪山よりやや切り立った円錐形の神山で、ここに奈良時代の末期、皇太子の山部親王(後の桓武天皇)の病気平癒の祈願のため、行いの正しい五人の僧がこの聖なる山中で祈祷をして優れた効果がありました。そうしたことから国家の為に建立したのが室生寺です。伽藍の造営に当たったのは興福寺の高僧修円で、この人は空海や最澄に並んで平安時代初頭の仏教界を指導する高名な学僧でありました。
以後室生寺は、興福寺の法相宗を始め天台・真言・律宗などの高僧を迎え、山林で修行するかたわら各宗を勉学する道場として、仏教界に大きな役割を果たします。しかしその一方では、谷を走る清流や、龍が住むという山中の龍穴などから龍神の信仰が生まれ、これに雨乞いの祈願をするため、平安前期以来度々朝廷から勅使が派遣されて、龍神の室生の名は広く世に知られるようになりました。
また奥深い深山という室生寺の環境は、密教の道場にふさわしいことなどから、次第に密教的色彩を強め、鎌倉期には真言密教の最も重要な儀式を行う灌頂堂と、弘法大師を祀る御影堂を奥の院に建立します。しかし真言密教の根本道場である高野山が、厳しく女人を禁制したのに対し、室生寺は女人にも開かれた道場『女人高野』として広く親しまれるようになりました。
室生の太陽信仰
大和の日の出の山として古くから信仰されている三輪山の麓に、桧原神社という古社があります。ここは古墳時代の初頭、初めて太陽の神、天照大神を祀った所とされていますが、室生山はこの社の真東にあり、さらにその真東に伊勢内宮の元の社地とされる伊勢の斎宮跡があります。この東西線には、太陽祭祀にまつわる遺跡が点在していますので『太陽の道』と称していますが、室生山がこの線上にあるのは、この山が古代の太陽祭祀まつわるものであることを物語っています。
室生寺の古い記録には、室生山には大日如来の宝珠があって、これが垂迹して天照大神になったとありますが、そうした伝承は、おそらくここが太陽祭祀の聖地であったからでしょう。そして室生寺は、この山の麓に造営されました。その一方、水神を祀る龍穴神社は、ここから約一キロ離れた谷の入り口にあって、山麓の寺と谷を祀る神社は陰陽の一対の関係になっています。
このほか室生寺には、金堂本尊の背後にインドの太陽神である帝釈天の曼荼羅を描いた大きな国宝の板絵。寺宝には太陽神の天照大神をあらわす重文の大きな鏡、大神宮御正体などがあって、太陽信仰とこの寺の関係を暗に示しています。
(室生寺ホームページより)
ささゆり庵から室生寺
サイクリング 3D MAP
--- ささゆり庵から室生寺へ ---
(サイクリングコース)---
(ルートA 赤ライン) | なだらかなカーブの多い一般道で、道中はのんびり田園景観をお楽しみいただけます。 |
(ルートB 青ライン) | やまなみロード(広域農道)で、ストレートかつスムース。景観は山々が中心ですので、スピードを楽しみたい方にお勧め。行きと帰りをA&B,B&Aのルートにするのも楽しい! |
参道
鎧坂と金堂
金堂 : 屋根は寄棟造、柿葺き。桁行(正面)5間、梁間(側面)5間(「間」は長さの単位ではなく柱間の数を意味する)で、桁行5間、梁間4間の正堂(しょうどう、内陣)の手前に、梁間1間の礼堂(らいどう)を孫庇として付した形になる。孫庇部分は片流れ屋根となり、両端を縋破風(すがるはふ)として収めている。堂は段差のある地盤に建っており、建物前方の礼堂部分は斜面に張り出して、床下の長い束(つか)で支えている。このような建て方を「懸造(かけづくり)」と言い、山岳寺院によく見られる。
800年頃の建立で、木部を朱塗りとする。屋外にある木造五重塔としては、法隆寺塔に次ぎわが国で2番目に古く、国宝・重要文化財指定の木造五重塔で屋外にあるものとしては日本最小である。高さは16メートル強、初重は1辺の長さ2.5メートルの小型の塔で、高さは興福寺五重塔の3分の1ほどである。